PICマイコン工作室 2007.04.16(月)〜 コンパイラの入手からデバッグまで
著作者名: 中野 良知 作成開始: 2006.04.16(月) 更新 : 2006.04.17(火) c.bat処理の修正。e.bat、h.bat、m.batの項目を追加。 : 2006.04.16(月) サンプルコードで#include "pic.h"に変更。
目次 1. 目的 2. マイコン 3. C言語コンパイラ 4. 環境の準備 4.1. 入手したインストーラーを起動します。 4.2. 作業ホルダーの作成 4.3. バッチ処理の作成 4.3.1. c.batの作成 4.3.2. e.batの作成 4.3.3. h.batの作成 4.3.4. m.batの作成 4.4. コマンドプロンプトの準備 5. プログラムソースの作成 5.1. 回路図 5.2. フローチャート 5.3. プログラムコード 6. コンパイル 7. プログラムの書き込み 8. デバッグ 1. 目的 マイコン用プログラムの開発環境作り、C言語による簡単なプログラム、 コンパイルの方法、オブジェクトの実行までを紹介します。 2. マイコン マイクロチップテクノロジー製のマイコンを使用します。 手持ちの関係でPIC16F84Aを使います。 PIC16F84A プログラム用メモリ=1Kワード SRAM=68バイト IO数=13ビット クロック=0〜10MHz 動作電圧=2V〜6V 機能が拡張されているPIC16F648Aも機会があったら使用したいと思います。 PIC16F648A プログラム用メモリ=2Kワード SRAM=224バイト IO数=16ビット アナログコンパレータ クロック=0〜20MHz。内蔵RC発振器4MHzも使用可。 動作電圧=2V〜5.5V 3. C言語コンパイラ PICC Lite Hi-TECH社が提供しているPICマイコン用のフリーのC言語コンパイラです。 http://www.htsoft.com/ コンパイラの入手 PICC Liteのインストーラを入手します。 URL: http://www.htsoft.com/products/compilers/PICClite.php 簡単な登録手続きをすると、メールでIDが送られてきます。 IDと登録時のメールアドレスでログインしてダウンロードします。 2007.04.15(日)にダウンロードしたバージョンは9.6でした。 マニュアル(凍結済み)をダウンロードし、解凍してください。 4. 環境の準備 コマンドプロンプト(DOS窓)を使用してコンパイルを実行します。 他にマイクロチップが提供するMPLAB IDEからもコンパイルが可能かと思います。 MPLAB V7.52が立ち上がらなかった為、コマンドプロンプトを使用することにしました。 4.1. 入手したインストーラーを起動します。 を左ダブルクリックします。 インストーラーの指示に従ってください。 インストールフォルダーをC:\PICC96にしました。 パスを簡潔にするとコマンドプロンプトで使いやすくすなります。 4.2. 作業ホルダーの作成 D:\PIC\Myprogram\Test を作成します。 4.3. バッチ処理の作成 コマンドプロンプトでコンパイル、エディット、ヘルプ参照などのキー操作を簡略に する為のバッチ処理を作成します。 4.3.1. c.batの作成 コンパイルをする時のキー操作を簡略にするバッチ処理です。 テキストエディターを起動します。 下記のBATコマンドリストをコピー&ペーストします。 ファイル名を「c.bat」として、\PIC\Myprogram\Testに保存します。 使用するときは、プロンプト(>)の次にc又はc.batとキー入力して[Enter]します。 >c[Enter] BATコマンドリスト REM PIC16F84A Cコンパイルバッチ処理 REM 2007.04.16(月) C:\PICC96\bin\picl -16f84a test.c 4.3.2. e.batの作成 プログラムソースを編集するときに、テキストエディター起動のキー操作を簡略にす るバッチ処理です。 使い練れたテキストエディターを指定します。 テキストエディターを起動します。 下記のBATコマンドリストをコピー&ペーストします。 ファイル名を「e.bat」として、\PIC\Myprogram\Testに保存します。 使用するときは、プロンプト(>)の次にe又はe.batとキー入力して[Enter]します。 >e[Enter] BATコマンドリスト 例1: REM テキストエディター起動用バッチ処理 REM 2007.04.17(火) C:\Megasoft\Miw\Miw test.c 例2: REM テキストエディター起動用バッチ処理 REM 2007.04.17(火) notepad test.c 4.3.3. h.batの作成 コンパイラーのオプションを参照する時のキー操作を簡略にするバッチ処理です。 下記のBATコマンドリストをコピー&ペーストします。 ファイル名を「h.bat」として、\PIC\Myprogram\Testに保存します。 使用するときは、プロンプト(>)の次にh又はh.batとキー入力して[Enter]します。 >h[Enter] BATコマンドリスト REM コンパイラーのヘルプ参照用バッチ処理 REM 2007.04.17(火) C:\PICC96\bin\picl --help 4.3.4. m.batの作成 コンパイラーのマニュアルを参照する時のキー操作を簡略にするバッチ処理です。 下記のBATコマンドリストをコピー&ペーストします。 ファイル名を「m.bat」として、\PIC\Myprogram\Testに保存します。 使用するときは、プロンプト(>)の次にm又はm.batとキー入力して[Enter]します。 >m[Enter] BATコマンドリスト REM PICC-Liteのマニュアルを開く REM 2007.04.17(火) D:\PIC\PICCLITE_V96\picclite-manual\manual.pdf ファイルパスのD:\PIC\PICCLITE_V96\picclite-manual\の部分は、PICC-Liteの マニュアルを解凍し保存したパスを記述します。 4.4. コマンドプロンプトの準備 Windowsの「コマンドプロンプト」をデスクトップにコピー&ペーストします。 「コマンドプロンプト」のプロパティを開き、 【全般】タグのファイル名欄に「PIC96」を記述します。 【ショートカット】タグの作業フォルダー欄に 「d:\PIC\Myprogram\Test」を記述します。 「OK]釦をクリックして、「コマンドプロンプト」のプロパティを閉じます。 5. プログラムソースの作成 ポートAのビット0に接続したLEDをオンさせるプログラムを作成します。 5.1. 回路図 PIC16F84A ┌────┐14 │ VDD├───┬────────── +5V │ │ │ │ │ R10K │ │4 │ 0.1/50V │ -MCLR├───┴─┤├──────┐ │ │ │ │ │16 ┌ ─ ─ ─ ┐ │ │ OSC1├───┬─┤├──┐ │ │ │ │┴ ││ │ │ │ □ 8MHz ├───┤ │ │15 │┬ ││ │ │ OSC2├───┴─┤├──┘ │ │ │ └ ─ ─ ─ ┘ │ │ │ │ │ │ LED │ │ │17 ┌─┬┐K │ │ RA0├──┤ │├─R220──┤ │ │ └─┴┘ │ │ │5 │ │ Vss├─────────────┤ │ │ │ └────┘ ┴ GND 発振子は3端子のセラロックを推奨。 5.2. フローチャート (main) ↓ ポートの初期化 ↓ ポートAのビット0に1を出力 ↓ ├←─┐ ↓ │繰り返し └──┘ 5.3. プログラムコード テキストエディターを起動します。 下記のプログラムソースリストをコピー&ペーストします。 ファイル名を「test.c」として、\PIC\Myprogram\Testに保存します。 //***************************************************************************** // タイトル: LEDオンテスト // 作者 : ioio // 機能 : ポートAのビット0に接続したLEDをオンにします // マイコン: PIC16F84A // クロック: 8MHz //***************************************************************************** // 2007.06.03(日) __CONFIG(0x3FF9)を追加。 // 2007.04.16(月) #include "pic.h"に変更。 // 2007.04.16(月) 作成開始 //***************************************************************************** #include "pic.h" // <>を""に変更 // コンフィグレーション定義 __CONFIG(0x3FF9); // PROTECT=OFF, WDTE=OFF, XT_OSILLATOR void main(void) { TRISA = 0x1E; // Port A 0=Out, 1,2,3,4=In PORTA = 0x01; // Port A-0=1 while(1); // 繰り返し } //***************************************************************************** //***************************************************************************** 応用: 上記のソースリストの PORTA = 0x01; // Port A-0=1 を PORTA = 0x00; // Port A-0=0 と変更すると、ポートAのビット0に接続したLEDはオフします。 6. コンパイル コマンドプロンプト「PIC96」を起動します。 >の次にcを入力して[Enter]キーを押します。 D:\PIC\Myprogram>c[Enter] >c.bat[Enter] または >c[Tab] で>c.batと表示されたら[Enter]とする方法もあります。 コンパイルが始まります。 上記のような表示が出て、コンパイルが完了します。 エラーはありません。 >dir[Enter] でtest.hexファイルが生成されていることを確認します。 コンパイルエラーが出ると以下の様なメッセージが表示されます。 ソースファイルの"PORTA"を"PORTC”と記述してエラーになりました。 14: はエラーが発生した行番号です。 (192) はエラーコードです。詳細はPICC Liteのマニュアルを参照してください。 7. プログラムの書き込み 実行用データのtest.hexをデバイスへ書き込みます。 書き込み器と対応するソフトのマニュアルに従ってください。 8. デバッグ プログラムを実行し動作の評価を行います。 動作に不具合があれば、ソースリストの問題点を修正します。 コンパイル、デバイスへの書き込み、動作評価を、問題点が解決するまで繰り 返し行います。
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